2026年5月12日火曜日

2014年 環境部門(自然環境保全科目)問題Ⅱ-2

 今日は私が受験した環境部門(自然環境保全科目)の問題Ⅱ-2の回答をお見せします。

問題ⅡはⅡ-1とⅡ-2を総合してABC判定がつきますが、問題ⅡはBでした。


試験中、臆病という字が思い出せず「病」と書きました。

試験結果はⅡとⅢ合わせてAだったので、大幅な減点にはならなかったのだと思います。


 

2-2-1 豊かな自然環境を有する奥山地域において、自然環境の保全・育成の計画(基本計画)を策定することとなった。この業務を担当して進めるに当たり、下記の対象とする地域の状況を踏まえ、(1)(3)の問いに答えよ。

【対象とする地域の状況】

・対象地域は標高5001,500mで自然林が広く分布し、一部に人工林が分布している。

・対象地域の沢筋から尾根部にかけて遊歩道が整備されており、春から夏にかけて多くのハイカーが訪れる。

・森林の一部ではシカの生息数の増加による下層植生の衰退や裸地化がみられる。

・谷部は急峻な地形を呈しており、森林性の猛禽類が確認されているが、ここ数年繁殖率が低下している。

(1)計画策定にあたって調査・検討すべき事項を3つ挙げよ。

(2)(1)で挙げた事項から1つを選び、調査・検討を進める手順を述べよ。

(3)(2)で挙げた手順で調査・検討を進めるにあたり留意すべき事項と対策を述べよ。

 

2-2-1

1.調査・検討すべき事項

(1)アンケート調査の実施

計画策定にあたり、地域住民やハイカーなど利用する人々の意見は重要である。このことから、アンケート調査を実施し、意見や希望を把握する。

(2)植生調査

植生調査を実施し、シカによる食害の状況を把握する。また、食害から保全すべき植生や地域を把握する。

(3)猛禽類調査

猛禽類の調査を実施し、当該地に生息する猛禽類の種類や個体数を把握する。

2.猛禽類調査で調査・検討を進める手順

急峻な地形に生息する森林性猛禽類としてクマタカを例にとり、進める手順を述べる。

(1)調査計画の策定

調査・検討を進めるうえの条件を把握する。また、参加する主体やその役割を整理する。

(2)事前調査

文献や聞き取りにより、当該地のクマタカ生息状況を把握する。あわせて、他の自然環境、社会環境についても調査する。

(3)現地調査の実施

当該地を囲うように地点を配置し、定点調査をおこなう。エサ持ちなど繁殖にかかわる行動が確認された場合は営巣地調査をおこなう。

 (4)保全・育成目標の設定及び保全措置の実施

調査結果を基に保全・育成目標を設定する。目標を基に保全措置を検討し実施する。

(5)保全措置の評価・再検討

保全措置の評価のためモニタリング調査をおこなう。モニタリング結果はフィードバックし、必要に応じて保全措置を再検討する順応的管理をおこなう。

3,留意すべき事項

(1)調査圧による影響の防止

クマタカは非常に病な種である。営巣初期では多様な要因により営巣を放棄することがある。このことから、以下に留意する

・営巣地調査はヒナが巣立つ直前以降に実施する。

・営巣地を上から見下ろす定点は配置しない。

(2)エサ資源の把握

クマタカは、ウサギやヘビ類などの動物類を主なエサとする。このことから、エサ資源の把握に留意する。近年繁殖率が低下しているのは、エサの資源量が原因の可能性もあるため、特に留意する。エサ資源量の把握を目的として定量的な調査を実施する。エサ資源の確保が困難な場合は狩り場の創出を検討する。岩手県や山形県では列状間伐を実施し効果が得られている。

 (試験では最後の1行まで書いた)


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