今日は私が受験した環境部門(自然環境保全科目)の問題Ⅲの回答をお見せします。
技術士を受験している多くの皆さんは白書に書いてある施策に沿って解答すると思います。
しかし当時、私が指導を受けた方から「白書に書いてあることは誰でも書ける。自分の経験を書きなさい。」という指導を受けました。
結果、A評価でした。
現在私は、国の施策に沿った記載をオススメします。
ただ、この環境部門の回答がAだったことから
正答は一つではないということがわかります。
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3-1 現在、身のまわりの希少な野生動植物の多くが絶滅の危機に瀕しており、特にシカによる希少植物の食害、ブラックバスによる希少水生生物の補食の影響が極めて深刻であるが、危機の要因はそれらばかりではない。保全すべき希少種(レッドリスト記載種)とそれらに影響を与えるシカ、ブラックバス以外の要因について、以下の問いに答えよ。 (1)保全すべき希少種を1つ挙げ、具体的生息・生息地域名とその環境、脅威となっている要因及び危機の状況について述べよ。 (2)(1)で挙げた危機に対する保全策を技術的に提案せよ。 (3)あなたの提案がもたらす効果を具体的に示すとともに、そこに潜むリスクについても論述せよ。 |
1.秋田県のアカヒレタビラ
保全すべき希少種としてアカヒレタビラをあげる。中でも秋田県大仙市地域に生息する本種の保全が重要と考える。本種は近年3種の亜種に分類され、そのすべてがレッドリストに掲載されている。秋田県では、分類後の調査が不足しており、今後の科学的知見の蓄積が望まれている。
2.脅威となっている要因と危機の現状
(1)脅威となっている要因
脅威となっている要因を以下に記述する。
・減反などによる生息環境の悪化
・水路のコンクリート化などによる生息域の分離
・タイリクバラタナゴとの競合
(2)危機の現状
上記の要因などにより、秋田県では減少傾向が続いている。近年は保全活動などもおこなわれ、一部では安定して生息しているが局所的であり、危機は継続している。
3.アカヒレタビラの保全に対する技術提案
私は以前、秋田県●●市でアカヒレタビラの保全計画策定を担当した。この経験から得た本種の保全にかんする技術提案を以下に記述する。
(1)生息地の再生
減反などにより生息地が減少している場合は、生息地の再生を検討する。私が実施した具体策を示す。
私は、休耕田を利用してビオトープを造成した。造成にあたっては、以下に留意した。
・説明会を開催し、周辺水田所有者の合意を得た
・移植する動植物はすべて同地域から調達した
(2)ネットワークの確保
生息地が孤立しないよう、周辺環境とのネットワークを形成させる。以下に私が実施した具体策を示す。
・コンクリート護岸を石積み護岸とした
・護岸こう配を30%と緩くした
・ため池との高低差が大きい箇所は魚道を設置した
結果、水路の流速が抑制され、アカヒレタビラが往来できるようになった。
(3)タイリクバラタナゴ移入の防除
両種とも二枚貝に産卵するため、産卵場の競合が生ずる。このことから、タイリクバラタナゴの移入を防除する。以下に私が実施した具体策を記述する。
・池干しを実施しタイリクバラタナゴを駆除した
・池干しの際は、在来種をビオトープ池に一時避難させた。
・二枚貝は一時的に飼育し、タイリクバラタナゴが産卵した個体が混入しないよう11月に移植した。
4,私の技術提案がもたらす効果とリスク
(1)効果
1)生息地の再生による効果
生息地を再生することにより、生物多様性が保全される。また、説明会の開催により地域住民の意識が向上するといった効果が期待できる。これは、「生物多様性国家戦略2012-2020」で掲げられている「生物多様性の主流化」にも寄与できると考える。
2)ネットワークの確保による効果
ネットワークを確保することによって、アカヒレタビラに多様な生息地が提供されるといった効果が期待できる。例えば、水路の流速が緩くなったことで、増水時も水路へ移動できる。私が実施した具体策では、水路こう配を緩くしたことにより、子供が水を観察する場所を与えることもできた。
3)タイリクバラタナゴ移入の防除による効果
外来種の移入を防除することにより、地域特有の生物多様性が保全されるといった効果が期待できる。私が実施した具体策では、二枚貝に産卵された卵にも留意したことにより、タイリクバラタナゴを完全に駆除することができた。
(2)潜むリスク
リスクとしては、今後の外来種移入が想定される。人の手による放流のほか、水鳥などによる移動によって移入する可能性がある。このことから、特に周辺に外来種が確認されている場合は留意が必要である。この対策としては、広域な駆除の実施、モニタリングを実施するなど対策する。
(試験では最後の1マスまで記載)